本文へスキップ

磐梯朝日国立公園案内

磐梯朝日国立公園についてご紹介します

          

国立公園としての磐梯朝日
 磐梯朝日国立公園は,1950年(昭和25年)に指定された,福島,山形,新潟の3県にまたがる,面積1864平方キロメートル,わが国3番目の面積を誇る国立公園です。出羽三山朝日連峰飯豊連峰,磐梯山・吾妻山・安達太良山,猪苗代湖などの山々と多彩な湖沼と森が織りなす雄大かつ変化に富んだ自然豊かな美しい景観が魅力です。
 磐梯山や猪苗代湖は,交通のアクセスもよいことから年間利用者数807万人(2008年度)が訪れ,登山やハイキング,温泉,スキー,舟遊びなどを楽しめる観光地でもあります。

自然の宝庫としての磐梯朝日

 「出羽三山・朝日」と「飯豊」地域は,おおらかな山容に手つかずの広大なブナの原生林や草原が広がり,ヒメサユリ,ミヤマウスユキソウ,トウヤクリンドウ,マツムシソウなどの多彩な高山植物がみられます。山頂部には風衡草原や雪田植生が発達しています。また,イヌワシ,ニホンカモシカ,ツキノワグマなど大型の野生動物をはじめとした多くの動物達の生息地になっており,特に各地での絶滅が危惧されているツキノワグマの日本有数の生息地です。日本有数の豪雪地帯でもあり、冬期の積雪は3メートルから5メートルにも達します。

 「磐梯・吾妻」地域は,磐梯山や西吾妻山,一切経山(いっさいきょうざん)など数多くの火山群と,それら火山がつくりだした五色沼や鎌沼などの湖沼群から構成されています。磐梯山周辺の植生は,積雪が比較的少ないこともあって,山頂近くまでオオシラビソを主とする針葉樹林の原生林が広がり,雪田植生はあまり発達していません。他の地域と同様に,ブナの原生林が広がる一方で,磐梯山西方の猫魔(ねこま)火山の雄国沼には,約280種の湿原植物がみられ,地区独特の植生を示します。裏磐梯にある五色沼湖沼群は,それぞれの沼が特有の色を呈し,気象条件により刻々と色を変えると言われています。
 
 

「猪苗代湖」地域は,円形の姿から天鏡湖と呼ばれる猪苗代湖を中心に広がる地域です。猪苗代湖の大きさについては全国4位,透明度の高さでは世界第5位とされています。また,冬期には毎年2千羽以上の白鳥が訪れる全国有数の飛来地であることから,その北岸は国の天然記念物に指定されています。

裏磐梯地域における現在の自然の成り立ち
 1888年(明治21年)7月15日に磐梯山が噴火しました。この噴火は,地下のマグマからの水蒸気や地下水が熱せられて生じた巨大な圧力により,周囲の岩石を突き破り吹き飛ばしたもので,磐梯山の北側に位置していた標高1800メートルの小磐梯山を一瞬に吹き飛ばしました。崩壊した小磐梯山は12億立方メートル,20億トンの岩屑なだれとなって,標高1,100〜1,800メートルから750メートル付近の山麓を一気に時速100キロメートルにも達する勢いで流れ出ました。この時の噴火により,土砂が川を堰き止め,裏磐梯高原に大小300以上の湖沼群が出現しました。桧原湖や秋元湖,曽原湖,小野川湖はこうしてできました。 また,この時の火山活動によりできた五色沼は,毘沙門沼,みどろ沼,弁天沼,るり沼,青沼,柳沼など大小さまざまな湖沼群の総称で,それぞれの沼の水がコバルトブルー,グリーン,オレンジ,青白,茶など,変化に富んだ色彩を見せていることから,五色沼と呼ばれるようになりました。現在のアカマツ林に囲まれた山と森,そして水の美しい五色沼の風景からは想像もつきませんが,五色沼周辺は噴火の影響が最も大きかった地域で,噴火後10年以上経っても土砂と岩石で荒れ果てた土地でした。この荒れ果てた土地の緑化事業を進めるため,1910年(明治43年),会津で醸造業を営んでいた遠藤十次郎(現夢)が私財を投じて植林活動を始めました。長い歳月をかけ,アカマツ5万本,杉苗3万本,漆苗2万本の合計10万本を,1,339万平方メートル(東京ドーム約286個分)におよぶ広大な土地に植林しました。現在,アカマツのほかヤナギ類,ヤマナラシ,ウダイカンバなどの樹木が生い茂り,沼の周辺にはミズバショウ,ヒオウギアヤメ,エゾミソハギ,コバギボウシなどの草花が咲きます。林内にはツキノワグマ,キツネ,ニホンカモシカ,ヤマネなどの哺乳類が生息し,オオジシギ,カッコウ,カワセミ,アカゲラ,オオルリ,キビタキ,ホオジロなどの野鳥も多く見られます。しかし近年,交通の整備による観光客や登山者の増加によって,探勝路や登山道が踏み固められて裸地化するなど,自然の許容量を超えた利用のために「オーバーユース」と呼ばれる問題も発生しています。そこで近年,磐梯朝日国立公園では,自然保護の取り組みとしてグリーンワーカー事業(動物の保護,環境美化,公園施設の維持管理,景観保全,調査などの業務を地域の自然や社会状況を熟知した方を雇用し,管理レベルのグレードアップを図る事業)や子どもパークレンジャー事業(自然に親しみ原始性に富む豊かな自然を後生に引き継ぐための人材育成を目標とした事業),パークボランティア,侵略的外来生物駆除等の事業を展開しています。

参考図書:「磐梯朝日国立公園 パークガイド」 財団法人 自然公園財団
参考サイト:磐梯朝日国立公園 環境省  http://www.env.go.jp/park/bandai/
      国立公園ガイド 財団法人国立公園協会  http://www.npaj.or.jp/index.html

磐梯朝日遷移プロジェクト





2015年度
成果報告会要旨集

磐梯朝日遷移プロジェクト
2015年度要旨集の文字クリックすると内容をご覧いただけます.


2014年度報告書
2015年3月発行
磐梯朝日遷移プロジェクト
2014年度報告書の文字クリックすると内容をご覧いただけます.


2013年度報告書
2014年3月発行
磐梯朝日遷移プロジェクト
2013年度報告書の文字クリックすると内容をご覧いただけます.


2012年度報告書
2013年3月発行
磐梯朝日遷移プロジェクト
2012年度報告書の文字クリックすると内容をご覧いただけます.

福島大学 共生システム理工学類

〒960-1296
福島県福島市金谷川1番地

プロジェクト研究所
所長
塘 忠顕
thrips-tsutsumisss.fukushima-u.ac.jp
(SPAM対策でアットマークが大文字になっています.半角にかえて送信ください)