はじめに
-理工系人材育成が福島の未来をつくります-

学生諸君の果敢なチャレンジに期待します

福島大学
共生システム理工学類
学類長
二見 亮弘

東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故により、福島県では甚大な原子力災害が発生しました。現在、同発電所の廃炉に向けた作業が進められていますが、これは40年にも及ぶ長期にわたる工程となることが分かっていますので、自然科学的、工学的、および社会科学的な英知を結集して、様々な分野の人材が情熱をもって着実に取り組む必要があります。
さて廃炉は、最大の被害を被った福島県の重要課題であると同時に、日本国内や世界、つまり原子力発電からの恩恵を受けてきた人類全体の問題としても極めて重要なものです。また、廃炉に必要な知識や技術は多岐にわたるものであるため、特定の小集団だけで対応できるものではなく、理工学の個々の分野の専門知識を持った研究者や技術者が、廃炉に関する知識も合わせ持つことが重要と考えられます。そのような多くの人々が製造業、情報通信業、サービス業、建設業、運輸業、自治体など個々の立場から協力することで、先端的で確実な廃炉事業が実施できるのです。
さて廃炉は、最大の被害を被った福島県の重要課題であると同時に、日本国内や世界、つまり原子力発電からの恩恵を受けてきた人類全体の問題としても極めて重要なものです。また、廃炉に必要な知識や技術は多岐にわたるものであるため、特定の小集団だけで対応できるものではなく、理工学の個々の分野の専門知識を持った研究者や技術者が、廃炉に関する知識も合わせ持つことが重要と考えられます。そのような多くの人々が製造業、情報通信業、サービス業、建設業、運輸業、自治体など個々の立場から協力することで、先端的で確実な廃炉事業が実施できるのです。
このような状況の中、福島大学共生システム理工学類では、廃炉に関わる研究および人材育成プログラムを実施し、付加価値のある理工系人材育成の強化を推進しています。趣旨をご理解の上、ぜひこの学びのチャンスを活かして頂きたいと思います。

理工系の学びと廃炉技術の関係性

廃炉は事故を起こした原子力発電所の中だけで進められるものではありません。廃炉を支える技術の進展のために、様々な先端研究開発が全国で行われています。そして、その基盤にはみなさんが大学で学ぶ多様な理工系の知が必要となります。いくつかの例を見てみましょう。
廃炉ロボット
放射線量の高いエリアで着実に作業を進めるために必要です
機械工学・制御工学・電子回路等
放射線計測・核種分析
安全の確保だけでなく原子炉の状態を解析するためにも必要です
量子物理学・分析化学・センサー工学等
バーチャルリアリティ(VR)
廃炉作業を事前にトレーニングすることができます
情報工学・画像工学・感性工学等
放射線管理・生体影響
安全・安心な作業環境を維持します
放射線物理学・放射線化学・放射線生物学・法令等
劣化診断技術
原子炉や配管などの健全性をモニタリングします
材料工学・物性物理学・センシング技術等
この他にも多くの理工系の知が廃炉を支える技術に結びついています。