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福島大学 共生システム理工学類柴崎研究室

TEL.024-548-8437

〒960-1296 福島県福島市金谷川1番地

阿武隈川流域の環境学

阿武隈川流域の環境学とは

 阿武隈川流域の気圏,地圏,水圏およびそれらに含まれる生物圏の実態や流域を通した水,物質環境に着目し,さまざまな人間活動が水循環系と自然・生体系に及ぼす影響を解明し,持続的な自然との共生を図る方策を理解することを目標とした研究です.自然共生・再生研究の具体的研究の一つとして福島大学共生システム理工学類で2005年から2010年まで実施してきました.


     
「阿武隈川流域の環境学」福島民報社 定価3,150円 入手希望は右側のお問い合わせまでご連絡ください.


柴崎研究室での取り組み

 阿武隈川においても,自然環境を構成する大気系,地表系,土壌系,地下水系,そして河川系の自然環境系を構成する系にさまざまな形で人間活動が関与しており,地下水系の場合には井戸等による地下水の揚水と,灌漑による地表系から土壌系,地下水系への人為的循環が主なものと考えられます.このほか,土地利用や植生の変化による地下水涵養量の増減や,河川水位や河床状況の変化による地下水と地表水との交流関係の変化などにより,地下水は流動していると考えられます.
 
 柴崎研究室では地下水盆の分布,および形状について確認するとともに,これまで福島盆地,郡山盆地のように個別に調査・研究されてきた地下水盆を,同じ阿武隈川流域内に存在する地下水盆として位置づけ,既存資料に基づいてそれらの基本的特性を明らかにしました.
 また,最新の各種地形・地質データを利用して,自然状態における地下水流動を推定しました.さらに,阿武隈川流域の地下水の利用状況を把握し,阿武隈川流域の地下水流動と地表水・河川水との交流関係を明らかにするために必要となる研究項目を整理しました. つぎに,福島地下水盆と郡山地下水盆について既存資料をもとに3次元地下水流動モデルフレームワークを作成して予察的シミュレーションを行うとともに,今後の地下水盆管理のために必要となる地下水観測網を検討し提案しまし,これに基づいて,福島地下水盆では浅層地下水や深層地下水位の連続観測を行いました.これらの実測記録は,地下水の動態把握や構築する地下水シミュレーションモデルの検証に生かされています.さらに,福島地下水盆の3次元地下水流動解析モデルに実際の水文地質状況を反映させるために,既存の井戸資料や地質ボーリング資料を収集・整理して,地下地質の層相解析を行いました.地下地質の層相区分に基づく帯水層係数の3次元分布の解明は,地下水盆管理に欠かすことができない地下水シミュレーションモデル解析の精度向上のために役立つと期待されています.
 
 今後も地質ボーリング資料や井戸資料の収集を行うとともに,新規観測井掘削時に信頼度の高い地質コア試料を採取して,各種分析や絶対年代の測定などを行い,地下地質層序を確立することが望まれます.それにより,詳細な帯水層区分や水文地質特性との対比が可能になり,地下水資源の量的・質的な評価と管理ができるようになると期待されています.

Shibasaki Lab柴崎研究室

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