top

    音の共同体試論

top

Koji Nagahata


News

書誌情報
著者:永幡 幸司
掲載誌:サウンドスケープ, 3, 31-36, (2001).


概要

 本論文では音による共同体の定義について再考した。まず、先行研究における音と 共同体の関係について概観し、それらは大きく分けて2種類に分類することができる ことを示した。1つは、共同体を音によって再規定するという、マリー・シェーファー の提唱した「音響共同体」概念をそのまま支持するものである。もう1つは、ある音 が何らかの形で共有されている集団を共同体として定義する考え方である。そして、 後者は前者を内包していることを示した。それらを踏まえて、本論文では、「音の共 同体」という概念を提唱する。この概念は、先行研究における音と共同体の関係の議 論の検討より導かれ、「ある音が何らかの形で共有されている集団」として定義され る。そして、この「音の共同体」という概念は、少なくとも騒音問題が起る際の構造 把握に有効であることを示した。



業績一覧へ戻る