【日時】2009年3月15日(日) 13:00〜16:40
【対象】どなたでも参加できます。東北地方の植物
に興味
のある方,地元の植物研究家・愛好家,植物分野の大学学部に進学希望の中学生・高校生,植物分野や環境保全について学んでいる大学生など歓迎。
【参加費】無料
【参加方法】当日会場に集合して下さい。申し込みは不要です。
【プログラム】
13:00 趣旨説明
13:10 上野雄規「東北地方を北限とする植物の密集地」
一般の図鑑で関東地方以西に分布すると書かれている植物のかなりのものが、実は東北地方にも分布しています。面白いことに、こうした植物の数は単純に南
から北へ向かって少なくなるのではなく、集中して生えている場所があります。なぜそのような分布パターンができたのかという点、その他分布上の様々なト
ピックに関して紹介します。
13:35 門田裕一「東北地方のアザミ ―ナンブアザミと所属不明のアザミたち―」
ナンブアザミにはこれまでCirsium
nipponicumという学名が使われてきました.ところがタイプ標本を調べたところ,これは今現在ナンブアザミと呼んでいるものとは異なることが分か
りました.それでは,Cirsium
nipponicumとはいったいどのようなアザミなのでしょうか?この他,未だに所属がよくわからない東北地方のアザミをご紹介します.
14:25 牧雅之 「植物における種間交雑の重要性:東北地方に分布する植物を例 として」
植物においては,種間交雑は比較的頻繁に見られる現象です.植物の進化における種間交雑の重要性についてはさまざまな議論がなされてきましたが,近年で
はその重要性は多くの研究者に認められつつあります.この講演では,東北地方に分布する植物群を対象に,異なる観点から行なった種間交雑の研究を紹介しま
す.
14:55 藤井紀行「分子データからみた東北地方の高山フロラの成立過程」
東北地方の高山帯フロラは、ヒナザクラやチョウカイアザミといった固有種を有すること、超塩基性岩である蛇紋岩などからなる早池峰山の存在、火山性の山
岳(秋田駒ヶ岳や月山など)が多いことなどから、植物地理学的に興味深いものがあります。近年、DNAの分子マーカーを用いて、この東北地方を含めた日本
列島の高山帯フロラの成立過程に関する研究が進められてきました。本講演ではそれからの研究を通して見えてきた東北地方の高山フロラの成立過程についてレ
ビューします。
15:40 総合討論