<研究概要>
縄文集落の建物に必要な建材は、周辺の里山や集落に隣接して形成されたクリ林から獲得されたものである。こうした森林資源の利用と確保は、縄文集落形成の基本条件であったと考えられる。こうした森林資源の実態を明らかにするため、出土木材の考古学的観察や年輪年代学的解析による年代関係の把握と生育環境の復元を行う。また、年輪年代を検証するための放射性炭素年代測定を実施する。さらに、現生の里山において、民俗学的調査により森林管理技術や果実保存技術を明らかにするほか、樹木の花粉分析や果実調査、実験考古学による果実保存技術の検証により実証的データを蓄積する。以上から、出土資料データと現生データとを比較・検討し、縄文集落の形成過程と森林利用との関係を解明しようとするものである。
<おしらせ>
2011年度科研費の報告会を開催します。詳しくは案内ポスターをご参照ください。
日時:3月10日(土) 9:30-16:30
会場:奈良県橿原考古学研究所