福島市は,人口29万人あまりが暮らす福島県の県庁所在地であり,県の行政・教育・文化・研究開発など多様な機能を担っている.しかしながら,平成12年における65歳以上の老齢人口の割合は18.1%,平成22年には22.0%(平成14年推計)になると見込まれる一方,15歳未満の年少人口の割合は15.7%から14.4%へ減少し,高齢社会が一層進行することが予想され,その対策として,保健・医療・福祉の連携強化や高齢者が積極的に社会参加できる環境づくりが望まれている.
また,地域に根ざした産業として,金属・機械のほか鉄鋼関連産業の集積が見られるが,製造品出荷額などは著しく落ち込み,製造業の高度化と,科学技術を活用して最終製品を出荷できる新技術・新産業の創出こそが必要になっている.
これらの状況を総合的に解決するため,人・産業・環境の共生の科学・技術の構築を目指す福島大学共生システム理工学類の研究者が結集し,また地元企業と連携しながら,地域に根ざす大学としての使命を果たすべく,『福祉保健医療技術プロジェクト』として,「生体情報に基づく福祉保健医療技術」,「福祉医療分野への工学的アプローチの新展開」,「IT技術の福祉保健医療分野への応用」
の3つのテーマに関する計12の課題について集中的な研究開発を行うこととした. |