環境システム分野

アドミッションポリシー

 自然資源の量的・質的な現実的な保全に関する研究教育を展開しています。
気圏、水圏、地圏、生物圏などは、複雑に関係・影響し合い全体として「環境」を構成しています。環境の解析、保全・浄化にかかわる技術を探求し、加えて、各自の専門領域に軸足を置きつつも、環境の管理・計画を含めた視野を広げた体系的な取り組みにより、環境のトータルな保全の実現に貢献することをめざします。

カリキュラム

 環境システム分野のカリキュラムは、主に気圏、水圏、地圏、生物圏など、環境の解析、保全・浄化、管理・計画に関する科目から構成されています。各自の研究内容等に応じて、指導教員と相談の上で、物質科学や産業システムなど関連領域の授業科目をあわせて履修することも可能です。

  • 共生システム特論
  • 植物生態学特論
  • 環境モデリング特論
  • 植物多様性特論
  • バイオ・エコエンジニアリング特論
  • 環境計画特論
  • 流域水循環特論
  • 地域計画特論
  • 地下水盆管理計画特論
  • 動物形態学特論
  • 流域水循環特論
  • 環境微生物学特論
  • 地質学特論
  • 修士論文研究
  • 気象学特論

修士論文のテーマ例

  • 分子系統学的手法に基づく日本産土壌性Mundochthonius属(カニムシ目:ツチカニムシ科)の分類に関する研究
  • 流域スケールの雨水貯留量変動の推定法に関する研究
  • 従属栄養的な進化を遂げたイチヤクソウの分子系統学的研究
  • 裏磐梯毘沙門沼における表流水量観測と水収支に関する研究
  • 山岳域のイネ科植物を寄主とするThrips属のアザミウマの分類及び分布に関する研究(昆虫綱:総翅目)
  • 福島県沿岸沖における流域の浮遊土砂動態プロセスの解明にむけた解析調査
  • 気候変動に伴う高地の土地被覆改変による土砂生産の影響評価

院生インタビュー

昆虫の生態への興味をきっかけに、
アザミウマを研究対象としたフィールドワークに取り組む。
  • 環境システム分野 博士前期課程 2015年3月修了
  • 志賀 澄歌
  • 所属研究室:塘忠顕研究室
  • 研究テーマ:山岳域のイネ科植物を寄主とするThrips属のアザミウマの分類及び分布に関する研究
  • 出身高校:宮城県仙台南高校

Q, 大学院へ進学したのはなぜ?

 自然への興味から学類時代は環境システムマネジメント専攻に所属しました。フィールドに出て植物や生物の生態を調べる「自然環境調査法」の授業で昆虫の生態に興味を持ったことがきっかけで、学類でも昆虫を対象に研究を行いました。大学院に進学したのは、発展的なテーマでさらに研究を続けたいと思ったからです。

Q, 研究科の魅力は?

 学類時代は広く浅くという学びが中心でしたが、大学院では一つのことを長く深く研究することができる点が大きな魅力だと思います。フィールドワークをもとにした研究が中心となるだけに、福島大学キャンパス内、山や河川、国立公園など、自然環境に囲まれた本学は、自然環境をテーマに研究を進める上で大きな強みを持っていると思います。

Q, 研究テーマにどんな面白さが?

 研究対象とするアザミウマは、現在世界に約6,000種が確認されています。しかし、山岳域における調査はほとんど実施されておらず、どんな種類が分布しているのか分かっていないため、この研究テーマを選ぶことにしました。研究の最大の面白さは、採取した中に新種を発見することがあることです。また、アザミウマの種の中には農業害虫もいるため、データを収集し研究を進めることで、農業への貢献も可能な分野だと思います。

Q, 大学院修了後の進路は?

 大学院での学びを通して、自然環境への関心がさらに高まりました。修了後はこれまで学んだ環境の解析、保全・浄化、管理・計画の知識や技術を生かし、生物や自然環境に関わる研究職や、自然保護の仕事に就きたいと考えています。