卒業生インタビュー | 国立大学法人 福島大学 共生システム理工学類

公的研究機関へ

佐々木 美雪さん 目的と背景を常に意識しながら、本気で研究に取り組む先に、確かな成長がある。 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 福島研究開発部門 福島環境安全センター勤務
PROFILE

青森県立平内高校出身。2015年3月、共生システム理工学研究科博士前期課程 物質科学分野修了。修士諭文のテーマは「電顕オートラジオグラフィーを用いた風化黒雲母中放射性セシウムの局所的分布の観康」。放射線関係の研究期間で福島第一原子力発電所に関連した研究を行うため、日本原子力研究開発機構へ。現在は、放射線測定技術の研究開発に携わる。

 大学院に進学したのは、研究職や技術職に就くには大学院修了は必須だと考えたからです。また、学類時代に学んだことは基礎的な内容が主だったため、それ以上のことを学びたいと考えたことも動機の一つでした。大学院修了者は就職の際、「院卒」というブランドで見られます。大切なのは、自分の研究の目的と背景について自信を持って答えられるようになること。自分がなぜそのテーマを研究しているのかを常に考えていれば、次に何をすればいいのかなど、研究の方向性も自ずと見えてくることでしょう。学類生と大学院生では、研究に対する気合と根性、そして人前で発表する能力の点で決定的な違いがあります。それは、試行錯誤を繰り返す中でのテーマの発見や学会での発表など、大学院生ならではの経験ができるから。学類時代に書いた卒業論文と修士論文とを読み比べてみれば、大学院の2年間で自分がいかに成長できたかを実感できるはずです。

大学院で身についたものは…?

  • 研究に対する気合と根性
  • 人前で発表する力

民間企業へ

安沢 孝太さん 大学院進学には、研究を深く進める楽しさと進路の幅が広がるという魅力がある。 日本工営株式会社 電力事業本部 福島事業所 研究開発室勤務
PROFILE

福島県立白河旭高校出身。2011年3月、共生システム理工学研究科博士前期課程 人間-機械システム分野修了。修士論文のテーマは「高精度立体力ム機構を用いた小型パラレルマニピュレータに関する研究」。就職に際しては、分野にこだわらず、研究職に就くことを第一に考えたという。現在は、再生可能エネルギーである水力発電用水車の研究業務を担当。

 ロボット研究者をめざしていた私は、大学入学当初から大学院進学を視野に入れていました。正式な配属前からメカト口ニクスの研究室に顔を出し、学類時代はロボットハンドを、さらに大学院では、ロボットハンドで用いた立体カム機構をパラレルマニピュレータに適用し、医療用などに展開可能な小型で高精度なパラレルマニピュレータについて研究しました。学類では1年程度しか経験できない研究というものを、大学院ではさらに深く追突することができます。博士前期課程の2年間をいまあらためて振り返ると、課題を解決するためにはどうすればいいのか、なぜそうなるのかをより深く考えるようになったと感じます。大学院進学には、研究に深く取り組む楽しさだけでなく、進路の幅が広がるという魅力もあります。また、合同研究などの機会を通して学内外の多くの人と出会うことができ、そこで得た人脈は企業で働くいまも貴重な財産となっています。

大学院で得たものは…?

  • 深い思考に基づく課題解決力
  • 就職後にも生きる人脈

公務員に

鈴木 健司さん 時間的な制約を受けずに研究に没頭する時間は、その後の人生では決して味わうことのできないもの。 福島県ハイテクプラザ 企画連携部 企画管理課勤務
PROFILE

福島県立相馬高校出身。共生システム理工学研究科博士前期課程 数理・情報科学分野を経て(修士論文のテーマは『磁性粒子分散系クラスターのシミュレーション解析』) 、2013年3月、同博士後期課程 共生機械システム領域を修了。それまでの学びをふるさと福島県のために役立てようと、2015年4月から福島県職員として企業等の支援業務を担当。

 学部の卒業研究に取り組む中で、研究テーマでもあるシミュレーションの面白さに気付き、そこで生まれた「もう少し研究を続けたい」という思いが、最終的に博士後期課程まで進み博士号を取得する原動力となりました。大学院での研究生活は、大学での生活とは異なり、授業よりも研究に多くの時聞を費やすことになります。その中で一つのテーマにとことん向き合うことができたことは、とても貴重な経験でした。福島県の技術職として仕事をするいまも、研究に集中して取り組み、実験やシミュレーションの結果をもとに論理的に思考するための訓練ができたことは非常に役立っていると感じます。時間的な制約を受けることなく研究に没頭する時聞は、その後の人生では決して味わうことのできないものです。最近は社会人学生として働きながら大学院に進学する方も多くなっていますが、できるなら一般学生として大学院に進むことを私はお勧めします。

大学院の魅力とは…?

  • 研究に没頭できる時間
  • 論理的に思考するための訓練

高校教員に

渡辺 裕次郎さん 大学院で培った「科学の世界を見る目」を大切に、子どもたちから「なぜ?」を引き出す授業をつくる。 福島県立安達東高等学校勤務 理科教員
PROFILE

福島県立会津高校出身。2014年3月、共生システム理工学研究科博士前期課程 物質科学分野修了。修士論文のテーマは「ゾルゲル法による磁性元素添加ワイドギャップ半導体の作成とその特性」。学類時代は野球部の活動に明け暮れる。子どもたちの「理科離れ」が叫ばれる中、子どもたちから「なぜ?」を引き出す授業づくりに取り組んでいる。

 学類の4年間に、授業や教育実習など教員になるための様々な学びの場を経験しましたが、その中で感じたのは自分の未熟さでした。学び足りないことがまだたくさんある、もう一度学び直さなければ・・・。そうした強い思いが大学院進学という選択につながりました。大学院には、大学の先生の授業のサポートや小学生を対象とした大学主催の理科教育のイベン卜など、学類時代にはない学びの場がありました。また、学会での発表も経験し、科学分野の幅広さや奥深さを知ることができたことは、教員採用試験の合格を勝ち取る上で大きなカになったと思います。大学院には学類生以上に高い意識を持って学んでいる学生がたくさんいます。研究室の先輩や後輩、仲間たちから日々刺激を受けながら生活することができます。学類の4年間にさらに大学院の2年間をプラスし、科学の世界を見る目を養うのも、教員という夢を実現する確かな道の一つだと思います。

大学院だからこそ養えたものは…?

  • 科学の世界を見る目
  • 科学の幅広さと奥深さへの理解