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赤井 仁志(教授)
Hitoshi AKAI

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所属専攻 再生可能エネルギー寄附講座
専門分野 再生可能エネルギー〔建築・都市環境工学(温冷熱環境・水環境)、環境システムデザイン(給湯・暖冷房・浴場・融雪等)〕
最終学歴 九州大学 大学院 芸術工学府
学位 博士(芸術工学)(九州大学)
顔写真

主な担当授業科目

特任教授
(総合科目)再生可能エネルギー
地球熱システム特論

北海道大学大学院 客員教授
工学研究院 空間性能システム部門 空間性能分野 環境人間工学研究室
〔工学部 環境社会工学科 衛生環境工学コース(旧・衛生工学科)〕


再生可能エネルギー(環境工学・環境システムデザイン)
(1)国と福島県が目指す再生可能エネルギー利用と地中熱・温度差熱の概要:
  福島を「再生エネルギー先駆けの地」に
  エネルギーとエクセルギーは、どう違う?
  ヒートポンプって、何?(耳にしたことあるけど、よく分からない)
  さまざまな再生可能エネルギー熱の利用と形態
(2)地中熱の現状・必要性、建築環境(住環境)と暖冷房設備:
  ヒトは、暖かさと寒さをどう感じる?
  冬の寒さ防止法
  夏のエアコン設定温度・28℃は間違っている!
  エアコンの除湿モードは、電気喰い虫
  寒冷地・積雪地での地中熱利用のメリット
(3)地中熱・地下水熱等利用による暖冷房と給湯、換気、食農分野での活用:
  あなたの身近にあった地中熱利用施設
  下水熱や温泉排湯熱、河川熱利用など、熱源はたくさんある
  室内に入れる空気を土の中をを通すだけで省エネ、アースチューブ
  節水・節湯(せっとう)と熱源の組合せで、ランニングコストは1/3
  食農分野での再生可能エネルギー熱利用


地球熱システム特論
 熱を生み出すのには、石油や石炭等の化石燃料を燃やしたり、電気でヒータを加熱したりするなどの選択があります。世界は再生可能エネルギーで発電した電気を使い、ヒートポンプで熱を生み出す方向に向かっているのです。一般的な空気を熱源とするヒートポンプは、冷房や冷凍に比べ、暖房や加熱は効率が落ちてしまいます。寒冷地や積雪地で強い風が吹くような地域では、さらに不利になるのです。地中熱や地下水熱、下水熱や温泉排湯熱等を熱源とするヒートポンプシステムだと高い効率が得られます。このヒートポンプによる熱を使い、また場合によっては地中熱・温度差エネルギーを直接使って、給湯や暖冷房、換気やロードヒーティング、食農分野等で利用する技術を学びます。
第1回 再生可能エネルギー熱の概要と動向
第2回 省エネルギーからはじめる再生可能エネルギー熱利用
第3回 気候・風土と再生可能エネルギー
第4回 地中熱・温度差エネルギーの現状と利用形態、ヒートポンプ
〔講師:ゼネラルヒートポンプ工業㈱・谷藤浩二〕
第5回 地中熱システムの基礎と地中熱ポテンシャル
〔講師:産業技術総合研究所・吉岡真弓〕
第6回 住まいの空気・水・熱の基礎
第7回 ヒトは暑さと寒さをどう感じる・建築環境と建築設備の接点
第8回 COMMUNITY BUILDING TOWARD A SMART CITY THROUGH REGIONAL COLLABORATION
〔講師:仙台高等専門学校・内海康雄〕
第9回 温度差エネルギー(下水熱・温泉排湯熱・雪氷熱等)の概要
第10回 地中熱・温度差エネルギーの暖冷房での利用の基礎
第11回 地中熱・温度差エネルギーの暖冷房での利用の応用①
   (オフィスの節電化が暖冷房エネルギーに与える影響)
第12回 地中熱・温度差エネルギーの暖冷房での利用の応用②
   (建物の断熱性・気密性と換気、アースチューブ等)
第13回 地中熱・温度差エネルギーの給湯での利用
第14回 地中熱・温度差エネルギーの浴場・ロードヒーティング等と食農分野での利用
第15回 まとめ

必要に応じて、地中熱利用ヒートポンプシステム、温泉排湯熱・下水熱利用システム等の現地見学を実施します。

主な研究

再生可能エネルギー(環境工学・環境システムデザイン)
地中熱・地下水熱・下水熱・温泉排湯熱などを利用した建築・都市環境工学(温冷熱環境・水環境)や環境システムデザイン(給湯・浴場・空調・換気・消融雪等)と省エネルギー・節水・節湯、快適・安全・衛生手法の実用研究をしております。

給湯システムデザイン・制御の適正化とスマートコミュニティ連携
ホテルや病院、特別養護老人ホーム等の給湯システムには、貯湯槽というお湯を貯めておく大きな容器があります。太陽光や風力などのお天気任せで発電した電気に余裕がある時間帯にヒートポンプを稼働させるような制御をスマートコミュニティと連携できるように、時間ごとの給湯負荷を解析して役立てようとしております。この研究は、客員教授を務める北海道大学大学院工学研究院空間性能システム部門と連携して行っています。

浴場・プール施設のレジオネラ症対策と快適化・省エネルギー化
日本では、毎年、約1,500名がレジオネラ症に罹患して、うち50~60名が残念ながら亡くなっています。海外では空調用の冷却塔の冷却水が感染源となる場合が多いのですが、日本は旅館やホテルなどの大型浴槽や給湯が原因です。快適性と省エネルギーを両立できるレジオネラ属菌対策を研究しております。

ヒートポンプ技術による再生可能エネルギー・ローエクセルギー活用とサスティナブルデザインの実践
ヒートポンプを用いて、再生可能エネルギーの有効活用の研究に取り組んでいます。エクセルギーの考え方から、持続可能な環境システム(給湯・浴場・空調・換気・消融雪等)を研究しております。

環境人間工学(水まわりの温熱的快適化とユニバーサル)
行動面のバリアフリーデザインやユニバーサルデザインだけでなく、温熱面でのユニバーサルデザインの調査と研究をしております。日本では、毎年、高齢者が住宅の浴室・脱衣室で亡くなっています。水まわりの温熱環境を改善することで、これを防ぐことができるのです。この研究は、客員教授を務める北海道大学大学院工学研究院空間性能システム部門と連携して行っています。

建築設備等非構造部材の耐震化、診断
建物の耐震化が進む中、非構造部材と言われる建築設備(空気調和、給排水衛生、電気設備など)や内外装(天井や壁、タイルや窓など)が、地震に対して脆弱です。これまで2003年の宮城県沖地震や2011年の東日本大震災などで調査解析した経験を基に研究を行っています。


高校生のみなさんへ

 2040年に再生可能エネルギー100%以上を目指す福島県。太陽光や風力、水力発電普及の先にある暮らしは、どうなるのでしょうか?暖冷房や給湯などの住まいで使うエネルギーは、電気を使ったヒートポンプ、CO2フリー水素を使った燃料電池やバイオマスガスを使ったコージェネレーションで賄われると考えられています。住まいやオフィスなどの身近な住環境が、快適で省エネルギーであるためには、どんな工夫をして、再生可能エネルギー熱を使えば良いかを学びます。
 例えば、
  人はどのように暑さや寒さを感じるのか?
  どうすれば、快適な住まいの空間を創ることができるのか?
  それを建物に取り入れるために、地下熱や下水熱などの再生可能エネルギー熱をどのように利用すれば良いのか?
  などを一緒に勉強しましょう。

最近の著作など

1. 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集、第1巻、pp.165~168、高知工科大学(2017年9月14日)
2. 電気設備学会全国大会講演論文集、pp.116~117、愛媛大学(2017年8月31日)
3. 空気調和・衛生工学(空気調和・衛生工学会誌)、第92巻 第7号、pp.16~17・pp.66~69(2018年7月)
4. 赤井仁志:再生可能エネルギー熱利用技術の動向と今後の展望, 伝熱(日本伝熱学会誌), vol.56 №235, 27-34, 2017
5. 赤井仁志・葛隆生・長野克則・草刈洋行・奥野敏彦・瀬川和幸:螺旋状地中熱交換器による浅層部地中熱利用技術の開発(第1報)開発の目的と1次・2次実証試験、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集、第10巻、pp.193~196、鹿児島大学(2016年9月15日)
6. 赤井仁志・草刈洋行・奥野敏彦・山田俊郎・大子田誠也・瀬川和幸・二宮秀與・西山尚弘・長野克則・葛隆生:内部発熱の減少が熱負荷とヒートポンプ電力消費量に与える影響、電気設備学会全国大会講演論文集、pp.154~159、岡山大学(2016年9月7日)
7. 赤井仁志:建築設備の地震被害から見た防止対応の留意点 (特集 給排水設備の災害時対応), 空気調和・衛生工学(空気調和・衛生工学会誌), 第89巻 第9号, 801-806, 2015.
8. 赤井仁志・紀谷文樹・野知啓子・松村佳明・松鵜さとみ・福島雅弘・佐藤隆・ 野崎英之:水泳プール・浴槽用珪藻土式ろ過器の性能評価のための基本事項の整理と検討、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集、第1巻、pp.157~160、大阪大学(2015年9月7日)
9. 赤井仁志・草刈洋行・葛隆生:配電工事用建柱車による地中熱交換器の埋設と評価(第1報)目的と当初の実証試験計画、電気設備学会全国大会講演論文集、pp.397~398、北海道大学(2015年9月2日)
10. 草刈洋行・岡田誠之・前田信治・赤井仁志:グリース阻集器の性能に影響する要因の実験的研究 : 模型槽を用いた隔板(枚数・高さ・開口幅・位置)の影響, 空気調和・衛生工学会論文集, №129, 23-32, 2015
11. 赤井仁志・草刈洋行・西山尚弘・二宮秀與・宇佐美勇気・葛隆生:地域性と熱負荷設定等の違いによる地中熱利用ヒートポンプの性能と経済評価 (第2報) ロードヒーティング熱負荷と地盤条件、日本建築学会大会学術講演梗概集、pp.1347~1348、神戸大学(2014年9月12日)
12. 赤井仁志・宇佐美勇気・二宮秀與・草刈洋行・葛隆生:地中熱利用ヒートポンプの建築設備への適用手法に関する調査研究(第3報)空気調和設備でのエネルギー消費特性、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集、第3巻、pp.317~320、秋田大学(2014年9月4日)
13. 赤井仁志・草刈洋行・天野雄一朗・安岡稔弘・三島潤也・宮永俊之・岩松俊哉・葛隆生:再生可能エネルギーのカスケード利用による放射式空調の実験的検討(第3報)天井放射冷暖房システムの実験と評価、電気設備学会全国大会講演論文集、pp.61~64、東北文化学園大学(2014年8月28日)
14. 赤井仁志・野知啓子・阪中郁・中村克彦・岡田誠之・高橋和弘・竹田良子・濱田靖弘:現場測定による浴槽水消毒剤濃度に関する研究(その8)残留塩素濃度計の違いによる表示値の比較(4)、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集、第1巻、pp.181~184、信州大学(2013年9月26日)
15. 赤井仁志・草刈洋行・一瀬茂弘・宇佐美勇気・二宮秀與:地中採熱技術の冷暖房とロードヒーティングへの適用のための事前評価(第1報)モデルシステム策定とイニシャルコスト、電気設備学会全国大会講演論文集、pp.89~90、大阪府立大学(2013年9月4日)
16. 草刈洋行・福井啓太・岡田誠之・赤井仁志・前田信治:グリース阻集器の油脂分解技術に関する研究, 日本建築学会環境系論文集, Vol.77  №673, 161-166, 2012
17. 赤井仁志・栃原裕・阪中郁:吸光光度法による浴槽水を対象とした二酸化塩素濃度の現場測定方法に関する研究, 日本建築学会環境系論文集, Vol.74  №641, 811-817, 2010
18. 青沼徹・前田信治・岡田誠之・野知啓子・赤井仁志:循環式浴槽水の水質実態に関する研究, 空気調和・衛生工学会論文集, №157, 11-17, 2010
19. 赤井仁志・青沼徹・岡田誠之:浴槽における消毒剤の挙動に関する研究 ―気泡浴槽および超音波浴槽, 日本建築学会環境系論文集, Vol.75  №655, 827-834, 2010
20. 赤井仁志・栃原裕・石松維世・草刈洋行ほか:レジオネラ属菌のビーズ濃縮法とオンサイト迅速検出法に関する研究, 日本建築学会環境系論文集, Vol.75  №649, 271-278, 2010
21. 赤井仁志・栃原裕:公衆浴場でのレジオネラ症集団発生前の法規、条例と行政の指導, 空気調和・衛生工学会論文集, №142, 47-56, 2009
22. 野知啓子・鎌田素之・津田宏之・岡田誠之・赤井仁志ほか:塩素消毒に伴う浴槽水中のトリハロメタン生成能に関する検討, 空気調和・衛生工学会論文集, №142, 1-8, 2009
23. 赤井仁志・野知啓子・津田宏之・大塚雅之ほか:温泉水中のレジオネラ属菌に対する消毒剤の有効性についての実験的検討, 空気調和・衛生工学会論文集, №139, 11-17, 2008
24. 赤井仁志・紀谷文樹・岡田誠之・市川憲良ほか:浴槽水でのDPD法とSBT法による遊離残留塩素濃度測定法に関する研究, 空気調和・衛生工学会論文集, №122, 1-7, 2007
25. 赤井仁志・岡田誠之・青沼徹:入浴の行為による浴槽水の汚濁原単位及び消毒剤の減少に関する研究, 空気調和・衛生工学会論文集, №114, 69-75, 2006
26. 赤井仁志:温浴設備の管理, 空気調和・衛生工学(空気調和・衛生工学会誌), 第77巻 第8号, 683-690, 2003
27. 赤井仁志・鎌田元康・小川正晃:大型浴槽からの損失熱量, 空気調和・衛生工学(空気調和・衛生工学会誌), 第73巻 第1号, 53-64, 1999
28. 空気調和・衛生工学会東北支部学術・技術報告会論文集、pp.49~50、東北文化学園大学(2018年3月9日)
29. 日本建築学会大会学術講演梗概集、pp.261~262、東北大学(2018年9月5日)
30. 電気設備学会全国大会講演論文集、pp.347~348、福井市地域交流プラザ(2018年9月4日)
31. 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集、第1巻、pp.45~48、大同大学(2018年9月12日)
32. 建築設備の凍結・雪対策 計画設計施工の実務の知識、pp.62~79、pp.184~186、pp.201~206、空気調和・衛生工学会(2018年3月)、分担
33. レジオネラ症防止指針・第4版、日本建築衛生管理教育センター、pp.94~100、pp.120~121、pp.137~140、(2017年7月)、分担
34. 平成29年度 給水装置工事技術に関する調査研究助成報告書、きゅうすい工事(給水工事技術振興財団機関誌)、Vol.49 No.2、pp.26~32(2018年夏季号)

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